相続は、ある日突然ご自身の身に起こることもある大切な問題です。

「もし借金があったらどうしよう?」「遠方の不動産を管理し続けるのは難しい」といった不安を感じる方も少なくありません。
今回は、そうした際の解決策となる「相続放棄」と、
引き継ぐ人がいなくなった財産を整理する「相続財産清算人(そうぞくざいさんせいさんにん)」について
広島で様々なケースの相続にまつわる相談実績がある、うした法律事務所の加藤先生にお伺いしました。


1. 相続放棄とは?(プラスもマイナスも引き継がないという選択)

――相続放棄とは、どのような手続きですか?

一言で申し上げますと、亡くなった方(被相続人)の財産を「最初から一切引き継がない」と
家庭裁判所に申し立てる手続きです。これが受理されると、預貯金などの「プラスの財産」だけでなく、
借金や未払金などの「マイナスの財産」もすべて、引き継がなくて済むようになります。

――どのような場合に検討するのがよいのでしょうか?

一般的には、以下のようなケースで検討されます。
• 借金の方が明らかに多い場合
• 管理が難しい古い家や土地を引き継ぎたくない場合
• 親族間のトラブルに関わりたくない場合
ただし、借金が多くても「どうしても守りたい実家がある」という場合などは、あえて相続を選ぶこともあります。
ご自身の状況に合わせて判断することが大切です。
また、注意していただきたいのは「いらないと言っただけ」では不十分ということです。
親族同士の話し合いで「私は何もいらない」と伝えただけでは、法律上の相続放棄にはなりません。
家庭裁判所で適切な手続きを行わない限り、借金の支払い義務は残ってしまいます。
「放棄したつもりだったのに、後から借金の督促が来た」という事態を防ぐためにも、必ず正式な手続きを行いましょう。
 


2. 手続きの期限と「3か月」のルール

――いつまでに手続きをすればよいですか?

原則として、「ご自身が相続人になったことを知ってから3か月以内」に、
亡くなった方の住所地を管轄する家庭裁判所へ書類を提出する必要があります。

――もし3か月を過ぎてから借金が見つかった場合は?

「亡くなったことは知っていたが、借金があるとは全く思っていなかった」という場合、
借金の請求書が届くなどして初めて借金の存在を知った時から3か月以内であれば、認められるケースもあります。
期限を過ぎてしまっても諦めず、まずは専門家へ相談されることをお勧めいたします。

3. 他の親族への影響について

――私が放棄することで、他の親族に迷惑はかかりませんか?

あなたが相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったことになります。

あなたが一人っ子だったり、他のきょうだいも皆相続放棄した場合、
相続権は次の順位の方(亡くなった方の親や兄弟姉妹など)へと移ります。
そのため、借金があるケースでは、あなたが放棄したことで知らぬ間に
他の親族が借金を引き継いでしまうということも起こり得ます。

あらかじめ「自分は放棄することにした」と一言伝えておくことが、
親族問の円満な関係を保つ鍵となります。

4. 放棄した後の「管理責任」について

――放棄したら、空き家などの管理もしなくていいのでしょうか?

ここが非常に重要な点ですが、法律ではその財産を現に占有している
(今まさに管理できる状態にある)場合、次の管理者に引き継ぐまでは、
引き続きその財産を適切に管理しなければならないと定められています。

管理責任を負ったまま空き家を放置して近隣に損害を与えてしまった場合、
相続放棄をした後であっても責任を問われる可能性があるのです。

もし他に管理を引き継ぐ相続人がいない場合は、次に説明する「相続財産清算人」を
選任してもらうことを検討する必要があります。

5. 相続財産清算人とは?(後片付けの専門家)

――相続財産清算人とは、どのような人ですか?

相続人が全員放棄した場合や、もともと相続人が一人もいない場合に、
家庭裁判所から選ばれる「遺産の整理役」です。一般的には弁護士や司法書士が選ばれます。

――具体的にどのようなことをしてくれるのですか?

清算人は主に以下のような手続きを、透明性を持って進めます。
1. 残された財産(家や預金)がどれくらいあるか調査し、目録を作る。
2. 財産を売却して現金化し、借金があれば返済にあてる。
3. 最終的に残ったお金があれば、国庫(国)へ納める。

――どのようにして選ばれるのですか?

お金を貸していた側(債権者)や、管理から解放されたい元相続人などが
裁判所に申し立てることで選任されます。ただし、申し立てには一定の費用(予納金)が必要になることが多いため、慎重な検討が必要です。

では、円満な解決のために大事なことは何でしょう?

相続放棄や相続財産清算人の制度は、相続人の方々を過度な負担から守るための大切な仕組みです。
しかし、一度手続きを行うと原則として取り消しができないため、慎重な判断が求められます。
もし少しでも不安や疑問を感じられたら、お早めに弁護士や司法書士などの専門家へご相談ください。
正しい知識を持って対応することが、ご自身とご家族の安心につながります。
終活のひとつとして相続を考えたとき、「相続税」がどうなるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、相続税が気になる方の、終活の方法についてお話をお聞きします。


▲相続税申告相談プラザひろしま 棚田秀利さん
税理士・行政書士・宅地建物取引士として幅広く相続の相談に対応。

〇まずは何から始めたらいいのでしょうか?
すべては相続税の試算からです。
終活と言っても、初めて着手する際には何から手をつけてわかりませんよね。
世間ではエンディングノートをお勧めする専門家もいらっしゃいます。しかし、相続税が気になる資産家の方は
いくらエンディングノートを書いても、悩みは解決しません。
そんな方には勇気を持って、本当に気になっている相続税の試算からスタートさせることをお勧めします。

その1:具体的に相続税の金額を把握しましょう
相続税が気になると言っても、漠然とした心配ではなく、
まずいくらの金額の相続税のことで悩んでいるのか具体的に把握した方がよいです。
相続税がかかると言っても三千万円なのか、三百万円なのか、三十万円なのか、三万円なのかで心配度が変わります。
まずはこのままだと相続税がいくらになるのか?それは親または配偶者の遺産で払えるのか?
これらをはっきりさせる必要があります。もし払えないのであれば、不動産の一部を売却して換金化しておく必要もあるかもしれません。
また、遺産分割を考える際にも、相続人各々の相続税の負担がわかれば、実際に受け取れる相続財産の金額もわかります。

その2:財産目録を作って、具体的にどう分割していくのか考える
相続税の試算をした際の副産物として、財産の金額の入った財産目録ができます。
この財産目録をベースとして、どの財産をどの相続人に相続させるのか具体的に考えることができます。
但し不動産についてはあくまで路線価を中心とした相続税評価額で評価されており、
不動産の時価とは乖離している可能性もあるので、より正確に財産の評価をしようと思えば、
実際に不動産業者による査定も必要かもしれません。結果的にこれが将来遺言を書くための大切な資料となります。

その3:相続税の節税を検討して、進めていく
もちろん相続税の試算をしてある程度の相続税が課税されることがわかった際に
その相続税を節税したいと思われる方もいらっしゃると思います。
相続税の節税をしたいからと、銀行から大きな借金をしてアパートを建てようとされているお話を聞くことがよくあります。
しかし、必ずしもその必要はありません。

〇日常的な節税方法として、どんな事例がありますか?
代表的なものとして、次にあげる3つの方法があります。
1、生命保険の非課税枠を利用する
被相続人が生命保険の契約者・被保険者の場合、受取人が受け取る死亡保険金には
みなし相続財産として相続税が課税されますが、受取人が法定相続人の場合、
法定相続人の数×500万円という生命保険の非課税枠が適用されます。
そのため、死亡保険金がその金額に満たない場合、
その金額になるまで生命保険の死亡保険金を増額させることで、相続税が節税できることになります。

2、生前贈与をして相続財産を減らす
贈与税が課税されない基礎控除110万円以内の生前贈与であれば、贈与税は課税されません。
この生前贈与を複数年継続して相続財産を減らしていけば相続税を節税することができます。
しかし、令和6年以降税制改正があり、贈与財産の持ち戻しがあり節税効果が無効になる場合もありますので、
相続税専門の税理士及び税務署にご相談下さい。相続時精算課税贈与制度を利用するのもよいかもしれません。

3、お金のかかるお墓・仏壇の整備・自宅の改修を前倒しで進めておく
これは細かい話ですが、お墓やお仏壇の整備も、いざ取り組もうとすると色々とお金がかかります。
そういったことも早めに整理をし備えておくことで、相続税の節税効果はあると言えるでしょう。
相続税の節税方法は他にもありますが、何事も一朝一夕には進まないので、地道に検討していく必要があります。

〇相続税申告相談プラザひろしまについて、教えてください。
相続税申告相談プラザひろしまは、広島市中区八丁堀にあります。
広島市を中心に相続税申告やその他相続に関するサポートならお任せください。

「相続税の試算」ですが、その試算をするために専門家に支払うコストが高くては
着手するのに二の足を踏んでしまい、相続対策も思うように進まなくなることも考えられます。
そこで、相続税申告相談プラザひろしまでは、相続に関する相談は初回無料で対応させて頂いております。

その相談の中に、簡単な相続税の試算も含まれておりますので、この機会を活かして、まずはお気軽にご相談下さい。


▲相続税申告相談プラザひろしまのキャラクター
くまったくんと棚田先生出演のテレビCMでもおなじみ



相続に関して弁護士に相談できる内容は多岐にわたります。
うした法律事務所では、広島で様々なケースの相続にまつわる相談実績があります。


◇加藤先生は、相続の専門的知見に強みがあるそうですね?
はい、相続紛争事案に関わってきた弁護士だからこそ、相続をめぐる家庭内のさまざまな問題にも包括的に対応が可能です。
紛争を避けるための生前対策の必要性は言うまでもありませんが、行き過ぎた対策により
生活費が足りなくなってしまうなど取り返しのつかなくなってしまったケースもあります。
本やネットに書いてある対策は誰かにとっては正解かもしれませんが、あなたにとっても正解かは分かりません。
あなたの親族関係や財産の状況などにより正解は変わってきます。全体のバランスをみながら弁護士と相続について考えてみませんか。

◇相続トラブルは、だれにでも起こりうるものでしょうか?
相続トラブルは、とても身近でどのご家庭でも起こりうるトラブルです。
遺産が少なければ揉めないというわけではありません。遺産が自宅のみのケースなどは遺産が分けにくいためよく揉めてしまいます。
「うちの子どもたちは仲が良いので大丈夫」と相続について何も準備されない方もおられますが、
実はそのような仲の良い家族でも、亡くなるほんの数年間の介護問題などで険悪な関係になってしまうことが少なくありません。
相続トラブルは工夫次第で避けることができます。

生前に一通、しっかりとした遺言書を作成していれば揉める必要がなかったケースが大半です。
厳しい言い方になってしまいますが、子どもたちが揉めてしまうのは相続についてしっかりとした準備をしなかった親の責任なのです。


◇財産を安心して次の世代へつなぐ・・
「終活」という言葉が一般的になり、ご自身の保有している財産をどのような形で次世代に引き継ぐかを真剣に考える方が増えています。
土地や家屋を次の代に残そうとした場合、生存中の管理から死後の承継までを総合的に考えて計画を立てる必要があります。

生前の対策を怠った結果、財産の価値が目減りしてしまったり、相続財産をめぐる争いが数年にわたることも珍しくありません。
次世代に財産を良い形で継いでもらうためにはどうしたらよいのか、そのようなお悩みの相談相手となることができます。



▲法律事務所が初めてという方も安心。
カフェのような清潔感のある落ち着いたスペースで相談できる。

◇民事信託にも注力されているとのことですが?
はい。「民事信託(家族信託)」は、「財産管理」と「財産承継」のための制度で、
遺言ではできないことが実現できる柔軟性の高い制度です。

親の認知症対策・財産管理ができる、子供のいないご夫婦が相続対策ができる、
障害がある子供の財産管理ができる、特定の目的のために遺産を活用ができるなどのメリットがあります。

遺言は「誰に」「何を」相続させるかを決めることはできますが、細かい要望に応えることができません。
また、効力が生じるのは遺言者が亡くなった後です。
民事信託は遺言では到底かなえられないご要望に対応できる可能性を秘めています。
丁寧に、わかりやすく説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

◇起きてしまったトラブルでも、途中から相談できますか?
もちろん、大丈夫です。
不公平な遺言を書かれてしまった、相続人の一人が勝手に使ってしまい、あるはずの財産がいつの間にかなくなっている...
相続をめぐる紛争が発生してしまったときにもご相談ください。

遺産分割は感覚で進めると親族内に深刻な対立が生じてしまいます。
残されたご遺族の話し合いだけでは満足できる解決へ進めないこともあります。
そんな時は、ぜひ、うした法律事務所に相談してください。

親族への配慮も大切ですが、自分の権利もきちんと主張することが大切です。
弁護士は遺産分割調停などであなたの代理人として寄り添うことができます。

◇◇他士業とも密に連携◇◇豊富な経験と実績◇◇
ある問題がどの専門家に相談するべき問題なのか、実はこの判断からして一般の方には簡単ではありません。
ご相談内容に応じて適切な専門家につなぐことも私の役割です。

相続問題は弁護士だけでは解決できないこともあります。
税理士や司法書士など、過去に何度も一緒に取り組んできた他士業の仲間と協力して、問題解決を目指します。

相続対策をしたい親世代、相続問題を解消したい子世代の双方から、多くの相談を受けており、
遺産分割、遺留分侵害額請求、民事信託、遺言書作成などの案件を取り扱っています。

ある依頼者の方から相続紛争に関するご相談を受け、無事に解決ができた際に
「感謝の気持ちを込めて」と、縁起の良いマグカップをいただいたことがございます。
私を頼ってくださるすべての方の思いに報いることができるよう、誠心誠意取り組ませていただきます。

-保証人・後見人の準備はできていますか?

●きらりの活動内容を教えてください

一般社団法人「人生安心サポートセンターきらり」は、老後の保証人や後見人、逝去後のサポートなどを行う会員制の非営利団体で、広島を中心に活動する弁護士や税理士、起業家などが中心となり、2011年に設立しました。 現在までにのべ300名以上の会員さまに入会いただいており、保証人引き受けが300件以上、任意後見契約も100件を超える実績があります。 私たちは地域に密着した団体として、高齢者の方が「安心して最期まで自分らしく生きる」ためのサポートをさせていただいています。また、きらりは法人ですので、それら質の高いサービスを数十年にわたり安心して受けていただけます。

●具体的にどんなサポートが受けられますか?

私たち誰もが歳を重ね高齢になると、突然の病気やケガ、入院、認知症など、不安なことが増えてきます。一人暮らしで、困った時にすぐ頼れる方がいない場合など尚更です。 そこで私たちが、会員さまのサポーターとなり、日常生活での不安を少しでも和らげ、心配事を解決していくお手伝いをします。 例えば、地域包括支援センターやケアマネジャーと連携をとりながら、安否確認を含む定期的なコミュニケーションをとらせていただいたり、「役所に提出する書類の書き方がわからないから手伝って欲しい」「家の片付けや不用品の処分をして欲しい」「高齢で山登りができないのでお墓の掃除をして欲しい」など、日常生活で不便を感じるあらゆる相談を受け、専門業者の協力を得ながら対応させていただいています。 また、病院に入院したり高齢者施設に入居する際には連帯保証人や身元引受人を求められることがありますが、引き受ける親族がいない場合、きらりが親族の代わりとなってお引き受けします。 入院や入居時の手続きはもちろん、受診の付き添いをして担当医師の説明を一緒に聞いたり、手術時の待機、そして万が一の緊急連絡先としての役割を担います。退院後もひとりではなかなか不便なことが多いため、介護ヘルパーを手配するなど、安心して自宅療養に専念できる環境づくりにも気を配ります。 本来、ご家族やご親族など、近くに頼れる方がいらっしゃる場合であればいいのですが、最近はいろいろな事情で頼れる方がいない、もしくは遠く離れているケースも少なくありません。そんな時、家族の代わりになって私たちきらりがサポートさせてもらっています。

●認知症についても心配ですが、参考になる事例はありますか?

お子さまのいないご夫婦のケースですが、末期がんと診断されているご主人が軽度の認知症を発症されている奥さま(86歳)を心配されて相談に来られました。自分が亡くなった後、ひとりで残る奥さまの財産管理や生活面でのサポートをお願いしたいとのことでした。 依頼されたご主人が逝去された後、奥さまの安否確認を継続的に行っていましたが、認知症が重度化したため、家庭裁判所に申し立てを行い、きらりが任意後見人となりました。(後見人には、判断能力が低下した方の財産管理やその他契約手続きをするなど、日々の生活をサポートする役割があります) そして、自宅マンションで住み続けたいという奥さまの希望を叶えるため、次のようなサポートをスタートさせました。 任意後見人としてサポートを続ける中、奥さまには認知機能のほか身体機能にも少しずつ衰えがみえますが、今後も奥さまの希望に寄り添ってサポートを続けていきたいと思っています。 実はこの後見人制度には法律上できることに限りがあります。例えば、後見人の権限は本人の逝去により終了するため、逝去後の手続きなどは困難です。きらりでは、制度でカバーしきれない事柄についても事前・事後のチェックをしながら、連帯保証人の引き受けや身元引き受け、逝去後の事務もお引き受けしています。 また、最近では特殊詐欺の被害に遭われる高齢者の方も増えています。歳を重ねることで判断能力が低下したり、認知症を患ったことで多額の被害に遭われる危険性も増えてきます。任意後見人の契約は認知症などが重くなってからでは契約ができないため、お早めにご相談ください。

●きらりのサービスを受けるにはどうすればいいのですか?

きらりは会員制の団体です。ご入会いただくことでサービスを受けていただけます。 コースには「きらりファミリー安心コース」と「親族共同サポートコース」の2つがあります。 保証人や後見人、葬儀のことまでトータルでサポートをご希望の方は「きらりファミリー安心コース」を。ご親族が遠方のため、日常生活のサポートをご希望の場合は「親族共同サポートコース」をお選びください。入会金はどちらも20万円。契約金、月額会費などはサービス内容によって異なりますので、お問い合わせいただければと思います。

●家族信託が注目される理由

相続税が改正された平成27年以降、相続の申告数は増加傾向にあります。基礎控除額の減額に伴い申告すべき対象者が増えたこともあり、相続税対策についても興味や関心を持たれる方が年々増えています。 また、わが国は世界に誇る長寿国ですが、それゆえに抱える問題も少なくありません。その一つが認知症です。厚労省の発表によると2012年時点の認知症高齢者数は280万人、2025年には470万人に達する見込みです。相続する側、される側双方で、この認知症が障害となる場合も少なくなく、その病気リスクに備えたいという要望も増えています。 その社会状況の中、注目されつつあるのが「家族信託」です。平成19年に施行され、まだまだ広くは知られていないのですが、高齢者の財産管理や遺産相続をスムーズにする制度です。 その仕組みは、資産を持たれた方が、不動産や預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せるものです。 これまで成年後見人制度を利用することが多かったのですが、その場合、裁判所の管理下に置かれ、後見人は裁判所が選出、手続きなども複雑で相続税対策もできません。後見人は親族の方でもいいのですが、それを監督するのは裁判所となり自由がききません。 家族信託の場合、裁判所からの制限はありません。もちろん第三者の方に監督人を依頼することもできますが、基本的には親族の中のどなたかがされる形です。管理を家族や親族に託すため、高額な報酬も不要で誰にでも気軽に利用できる仕組みと言えます。

●具体的な利用ケースを教えてください。

例えば、複数の不動産物件を持たれている方が認知症になってしまうと、修繕業務等ができなくなったり、借入れの返済等が滞ってしまうかもしれません。それを避ける為に、息子さんを受託者として財産を信託し、運用してもらうことができます。収益はご自身に入りますが、管理料を委託することで、賃貸物件等の劣化を防ぎ、入居者の募集や手続き等がスムーズに行えます。金融機関では最近、本人確認が厳しく、通帳からお金を引き出す際、きちんと本人確認ができなければお金を引き出すことができません。家族信託は、こういったことも含め様々な問題をカバーできるものです。 またこんなケースもあります。 父親が亡くなってしまい、母親も認知症を患っていた場合、相続手続きはなかなか進みません。後見人を選任し遺産分割の話し合いに入りますが、その場合、法定相続の割合で分割協議をしていくことになります。しかし、将来的な二次相続のことを考えると、父親の財産が子ども達に先に渡った方が節税効果は高くなりますし、母親の介護面でも多くの問題を解決できます。そこで「この財産は将来的には息子に渡す予定だ」とし、財産を信託した上で遺言を作っておくと、スムーズに相続が行えます。家族信託では、次の受益者を誰にするかを決めることができるのもメリットの一つです。

●信託の手続きというのは難しいのでしょうか?

基本的には公証人役場へ行って契約を結ぶなど手続きが必要です。そこは専門的知識を持つプロに相談してお任せくださればと思います。

●相続に関する相談は、どこに依頼すればよいのでしょうか?

相談先を探すポイントは、やはり取り扱い件数が多いことではないでしょうか。広島県の場合、一人の税理士が扱う相続申告件数は1年でも平均1~2件と聞いています。当オフィスでは年間50件以上の申告実績があり、その経験を生かした様々なアドバイスをさせて頂いています。 金融機関の手続きや不動産の登記関係、諸々の名義変更など、様々なフォローをさせていただいています。相続に関しては、財産の多寡にかかわらず、関心度の低さや知識不足から争いごとに発展するケースも少なくありません。小さなお悩み事からでも気軽にご相談ください。

-あなたの逝去後の手続きを頼める方はいらっしゃいますか?

●きらりでは、逝去後のこともサポートいただけるのでしょうか?

「人生安心サポートセンターきらり」では、会員さまが逝去された後の事もご本人さまやご親族さまのご希望に添いながらしっかりサポートいたします。 具体的なケースですが、会員のSさまは、若くして重度の乳ガンが見つかり、寝たきりの父親に頼るわけにもいかず、またSさまより先に逝去した母方の親族に入院時の保証人や逝去後のことをお願いすることも控えたいと思われ、きらりへ入会されました。

入会後の2年間は入退院を繰り返され、その都度通院の付き添いや保証人の引き受けなどをサポートさせていただきました。 また、逝去後のサポートのため、少しずつ希望を伺いながらエンディングノートにまとめていくと共に、公正証書遺言を作成、逝去後にサポートするための費用も生前にお預かりしました。 残念なことに、間もなくSさまは逝去されました。 私たちは生前にご契約いただいた死後事務委任契約に基づき、遺体の引き取りやご指定のあった方への連絡、葬儀やお墓に関してのフォローをさせていただくほか、遺産整理につきましても遺言に沿って問題なく進めることができました。 ご入会される方でお元気な方は、自分の希望や先のことは分からないという方が多く、エンディングノートを書くことに戸惑われる方も少なくありません。そこは焦らずゆっくり時間をかけてまとめていくことで大丈夫かと思います。きらりをご利用されていく中で希望や状況も変わることですので、その都度エンディングノートの書き換えのサポートもしています。 S様もご入会から逝去される2年の間、何回も書き換えをされたため、全てご希望通りのサポートが提供できました。 葬儀では、きらりが喪主をお引き受けいたしましたが、参列いただいたご親族の方から、Sさまの意向を汲み取ったサポートに対して感謝のお言葉を頂き、とても嬉しく思いました。 以下、Sさまの逝去後のサポート内容です。

●お葬式のことについて詳しく教えてください。

会員の皆さまには、逝去後についてもずっと安心していただきたいという思いから、「きらり葬」と「きらりのお墓」の2つのサービスを提供しています。 きらり葬は、地元の葬儀社の協力を得ながら、きらりが施主あるいは喪主となって葬儀の準備や段取りを行う会員さま専用のお葬式です。 仏式や神式など、事前にお聞かせいただいた各宗教や宗派に対応しています。 お子さまや親族の方がいない、もしくは親族の方はいるけど遠方にいて葬儀のすべてを取り仕切ることができない場合などに、きらりがサポートをするイメージです。

●お墓に関してはどんなサポートがありますか?

会員さまのご希望に合わせ、「親族のお墓に納骨」することもできますし、お墓をお持ちでない場合や、お墓の引越しを検討されている方向けに「きらりのお墓に納骨」することもできます。 きらりがご提供する「きらりのお墓」は、会員さまを永代に追悼するためのお墓です。 これまで、「遠方のお墓に入りたくない」「お墓を守ってくれる人がいない」というお声が多く、それをきっかけにサポートを始めました。
写真右側が共同墓「さくら」、左側が家族墓「ひまわり」
お墓には、他の会員さまと一緒に納骨させていただく「共同墓さくら」と、ご夫婦や親子で利用していただく「家族墓ひまわり」の2つがあり、どちらも自然豊かな美鈴極楽墓園(広島市中区山田町125-1)にあります。「家族墓ひまわり」では、お墓の表面に好きな言葉やイラストを彫ることができ、とても喜んでいただいています。 管理料は、全てきらりが負担し、会員さまは最初の費用をお支払いいただくだけで永久にご利用できます。きらりのスタッフや会員さまで毎月欠かさずお参りをし、お花のお供えやお墓の清掃をします。 後継者やお墓を守ってくれる人がいなくても安心してご自分のお墓が持てるため、とても喜んでいただいており、多くの会員さまにお申し込みいただいています。

●「きらり」という名前に込められた想いは?

きらりでは、現在までにのべ300名以上の方々のサポートをして参りましたが、私たちの目標は、ご入会いただいた会員の皆さまに「いい人生だったな」と思ってもらえることです。 それぞれの方が抱える不安や問題を解決し、老後を安心して過ごしていただけるようなサポートはもちろん、プラスアルファの楽しみや生きがいを感じてもらえる機会づくりにも全力であたっています。 この活動が、会員の皆さまがキラキラと輝く人生を手にする一助になれば、これ以上嬉しいことはありません。 入会に関するご相談は無料です。お身体が不自由な方は出張相談も実施しています。お気軽にご相談ください。

●事業承継の2017年問題

2017年、団塊世代経営者の年齢が一斉に70歳を超え、まさに事業承継の決断が喫緊の課題となっています。中小企業庁の調べでは、既に事業承継の準備をしていると答えた経営者は、50代で33.3%、60代で42.9%、70代で49.5%と、いずれも50%に満たない状況です。何と80歳代でも47.7%しか準備をしていないと言う結果で、経営者が高齢化する一方、事業承継は遅々として進んでいないことが示されています。特に創業経営者となると、ワンマンではないにしろ一代で会社を築き上げ、仕事オンリーの方が少なくありません。そのため、事業承継のことまで考える暇がなく、そのまま手をつけず今に至ってしまったケースが多いようです。ただ、事業承継では、後継者を決定するだけでなく、経営者が保有している株式や資産の整理、後継者への移転、また関係者との調整など、クリアしなければならないことが山積します。あわせて後継者の方への教育のことも考えると、事業承継にはある程度の時間が必要ですので、早めに準備をすることが重要です。中小企業庁のガイドラインでは、計画的な事業承継を進めるために60歳を着手の目安としています。

●事業承継の鍵は「後継者の育成」

事業承継をする上で、株式や事業用資産の整理や移転はもちろん重要なことですが、経営者の大きな悩みはというと「後継者をどう決めて、どう育てていくのか」に尽きると思います。ご子息の方が事業を引き継いでくれる場合はもちろん、従業員の中から後継者を選ぶ場合でも、引き継ぎは短期間でできるものではありません。後継者教育には、少なくとも5年から10年間は必要です。 なぜなら会社が今後も永続的な成長を続けられるかどうかは、後継者の方の経営者としての覚悟と力量にかかっているからです。 しかしながら、承継にあたって経営者側は「何から引き継ぎすればいいのか」、「社長交代で業績が落ちないだろうか」などの大きな不安や迷いを抱え、後継者側も「従業員は自分についてきてくれるのか」、「経営って何だろう?」「何から始めたらいいのだろう」などいろいろ悩みを抱えます。そこで当オフィスでは、後継者の方の教育支援として、「後継者の羅針盤」という勉強会を毎年開催しています。 「後継者の羅針盤」5か月65時間のスケジュールで、経営者になるための力を体系的・体験的に学んでいく

●経営の基本と本質を深く理解する

「後継者の羅針盤」では、実際に経営者として実践すべきことに重点を置き、企業経営の必須要素であるビジネスモデル、財務、人・組織、そして統治基盤の4つについて学び、事業承継と経営革新を行うためのノウハウを身につけていきます。難しい理論や知識ではなく、経営者として本当に知っておかなければならないことを体系的・体験的に、5か月65時間と言うスケジュールで深く理解していきます。あわせて経営者としての分析力と経営力を鍛えていくために、積極的な自己啓蒙のきっかけ作りも行います。 実は、経営者が変わる時に、見えなかった問題や気づきながらも対処していなかった問題などが一挙に表面化することが少なくありません。多くの人が経験するであろう事態に陥る前に、隠れていた問題を直視・分析することで、後継者の方がその問題に向き合うことができます。社長交代の時期だからこそできることをこの勉強会を通じて知っていただければと思います。

●後継者育成をしっかりサポート

経営者の立場として、どこかで潔く任せるという勇気が必要だと思います。いつまでも「私がいなくては」ではなく、どこかで判断して後継者に任せ、後ろ盾となる方が後継者も成長します。 まだまだ自分は働けるんだと思っていても、いつ病気で倒れてしまったり、認知症になってしまうかわかりません。そうなってからでは遅いため、10年近くかけて対策を立てていくことをお勧めしています。先延ばしにしてしまったがために、今ギリギリになっている人も多いようです。60歳くらいの時から準備作業をし、70代くらいで引退して、会長という立場で後ろから見守っていく形が望ましいと思います。この勉強会を通じて、後継者の育成とスムーズな事業承継をサポートできればと考えています。詳しくはお気軽にお問い合わせください。